心新たなクリスマスの日
今年も余すところ数日。時間との戦いですね!
昨日は、中央アジアカザフスタン大使館主催、
日本初公演の舞台を拝見させていただく幸運に恵まれました。
アウエゾフ記念国立アカデミー劇団が描く、
日本人シベリア抑留者の人生
実は、私の父も7年間シベリアで抑留生活を送りました。
子供の時からいろいろな話を聞いて参りましたが、
今回初めて、別の角度から父の経験を
共有することができると大変楽しみに致しておりました。
物語は、元シベリア抑留者阿彦哲郎さんの
実体験に基づいて制作されています。
会場には主人公の阿彦さん自身もいらしていて
お目にかかることができました。
カザフ元抑留者、阿彦さんが来日へ、半生描いた劇、東京で公演
カザフ抑留を劇で伝える
阿彦さんは、
1945年第二次世界大戦終結時
10歳の時に収容所に入れられ、
約10年間過酷な抑留生活を体験されました。
終戦時には、
約60万人の日本兵や民間人が
旧ソ連の70カ所もの収容所に連行され
過酷な労働を強いられた後、
10万人は祖国に戻れることなく命を落としました。
私の父もよく笑いながら、
身体に残った銃で撃ち抜かれた
二つの穴を見せてくれたり、
戦場での体験を語ってくれました。
国立アカデミー劇団の主役の
阿彦を演じたドルガ・アクモルダさんはじめ、
20名以上の俳優の方々の迫真に迫る演技を
最前列中央で鑑賞させていただき、
恐怖による震えと涙をこらえることができませんでした。
私の父は幸運なことに
生きて日本に戻ることができましたが、
最も辛かったのは抑留生活ではなく
仲間の遺骨を家族に届けなければ
いけないことだったと申しておりました。
「目の前には、大切な息子を失った親御さんがいる。
自分も命を落としているはずなのに、
こうして目の前で生きている。
それがご家族に申し訳なく、
それが何よりも辛かった。」
と申していたことが、しっかりと今も耳に残っています。
日本とカザフスタンは、
ともに被爆経験国です。
子供が安心して暮らせる平和な国、
そして世界を次世代、またその先へ
守り残していかなければならないと強く感じました。
心新たな、素敵なクリスマスとなりました!
エグゼクティブインストラクター
Yukiko Shirao 白尾由喜子