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この調査により、氏は次の事実を確認しました。インドネシアを離れた人々は、その大半が南に向けて太平洋にこぎ出し、周辺の諸島に移住しました。ところが、なかには思いがけない風のためにまったく反対の方向に流され、マダガスカルにたどり着いて当地に落ち着いた人もいたのです。

これで、互いの言語が似通っていることの説明もつきます。さらにこれは、私のザ ジングルズシルクロードの仮説を立証するのに役立つかもしれません。近い将来、私か、あるいは別の人がザ ジングルズシルクロードの仮説をより具体的に立証することになるでしょう。

さて、ここで重要なのは、地理的な距離が、言語の距離に結びつかないということです。たとえば、北米インディアンの容貌はアジア人によく似ていますが、この事実は長い間にわたって無視されてきました。しかし、現在、DNAや遺伝子分析の結果によって、両者の関係が実証されています。

さらに、言語調査の結果から、ベーリング海峡をはさんで歴史背景の異なるヨーロッパアジア語族やシナチベット語族が、北米に言語と遺伝子を運んだことがわかっています。

これで、バスク語やパキスタン北部の言語と、中国語の間に何らかの関係の可能性があることも説明がつきます。

こうした言語の関連性を実証できる機会は、時間の経過とともに当然減少します。しかし、遺伝子分析などの新たな技術が進歩していることから、痕跡が姿を消す前に関連性を実証できるでしょう。そして、言語同士の結びつきを知ることが可能になるでしょう。

私自身はザ ジングルズシルクロードの仮説に基づいて筋肉の動きの分析と言語の音声全般について研究をしたいと思います。

　（３）へつづく