イギリス滞在記 その2
前回のイギリス滞在期の続きです。
まずはロンドンへ1週間滞在。その後同行の友人とも別れ、単独バースへと移動しました。
移動のバス
ロンドンからバースへの移動はコーチで約3時間。ヒースロー空港からのチケットを予約してありました。ところが、定刻になってもバスは現れず、何のアナウンスもなし。近くの係員にバスは遅れているのかと質問すると、確かに遅れているのでもうしばらく待つようにとのこと。どの乗り場で待てばいいのか、バスはどこに入るのかという質問には
“Could be anywhere.” … ??
乗り場は10ヶ所以上あり、待っている間は少々不安でした。そういえば、以前ロンドンを訪れた際も、同じ行き先の列車があちこち違う乗り場に到着することに戸惑いを覚えた私に、ある現地の方が
“We are not that well-organised. You are not in Japan now. ”
とおっしゃったことを思い出しました。
バース(Bath)はイングランド西部にある都市で、その歴史はローマ支配時代にさかのぼります。2世紀ごろローマ支配下で温泉の街として発展したということで、今でも温泉が湧き出しており、当時の様子がうかがえる施設もあります。
ここでの主な目的は一般家庭に滞在してイギリスの生活体験をすること。家族の方と様々なお話もしたかったので、英語のレッスンと各種体験がセットされたプランで2週間のホームステイを手配しました。
英語レッスン
毎日9時~13時ごろまでは英語のレッスン。レッスンとは言ってもとにかく先生と様々な話題について話し続けました。話題は多岐にわたり、天候・火山・環境問題・バースの歴史・日本の歴史・食事・農業・ガーデニング・携帯電話・インターネット等々… 先生はイングランドで生まれ育った方。毎日約4時間イギリス英語を浴びながら会話を続けることは、私にとって貴重な経験となりました。
イギリス英語の母音の響きがとにかくきれい。can’t / worry / there 等々、特徴的母音に聞きほれ、よく登場する “Just over there.” などという表現を聞いただけで、快感を覚えるほどでした。
ジェーン・オースティン
ジェーン・オースティン(Jane Austen)はイギリスの作家で、バースに住んでいたことがあるのだそうです。バースでは彼女が住んでいた家が保存されているのはもちろんのこと、Jane Austen Centre など彼女のことがわかる資料館等もあります。
このJane Austen Centre を訪れたときのこと。併設されているカフェでは毎日昼ごろからJane Austen の小説の一部の朗読が行われています。この朗読者が非常にすばらしく、小説の持ち味もイギリス英語の美しさも十分に伝えてくれました。たいへん心地のよいひと時を提供してくれています。
私のJane Austen との出会いは以前に見た映画『プライドと偏見』。彼女の小説を映画化したものです。美しい景色と英語に魅了され、DVDを購入して何度も見返したものです。今回の英語レッスンの題材のひとつにこの小説と映画の話も出てきました。この映画は私が見た映画版のほかに、BBC製作版、アメリカ公開版等異なったものが存在しているということを知りました。
特にイギリス版とアメリカ版とのエンディングの違いは、文化の違いが感じられ、非常に興味深いものがあります。
ウォーキングツアー
イングランドは各都市をガイドさんとともに歩いて回るウォーキングツアーが盛んです。私はバースで2回、オックスフォードで1回参加しました。ツアーの内容そのものももちろん楽しく有意義なものでしたが、私の興味はやはり英語の音。できる限りガイドさんの近くにいるようにして、耳は発せられる音に、目はその音を産み出す口元に集中させました。音と舌の動きが目の前でつながり、その身体全体から生産されて出てくる音を耳にする体験はとても貴重なものとなりました。
最後に
私はイギリス英語の音が大好きです。この素敵な音を聴き続け、話し続けられたらすばらしいと感じています。もちろん、アメリカ英語もイギリス英語も他のどの英語もすばらしく立派な言語です。どれがよりよいとか優れているというものでは決してありません。
ただ、「違い」があるのは確か。お仕事上の必要性からイギリス英語を学びたい方。純粋な興味関心からイギリス英語に興味をお持ちになっている方。 ザ ジングルズにはイギリス英語コースもございます。興味をお持ちの方はぜひ一緒にトレーニングなさってみませんか。
MU